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【保存版】南海トラフ地震の本当の脅威とは?木造住宅が受ける影響と“今すぐできる現実的な備え”

1. 南海トラフ地震とは?──巨大地震が“30年以内に70〜80%”と言われる理由

南海トラフ地震は、静岡県沖から九州沖まで連なる約700kmのプレート境界で発生する巨大地震です。

このエリアでは、プレートの沈み込みによってエネルギーが蓄積され、約100〜150年周期で大地震が発生してきました。

最新の研究では、

南海地震(四国沖)
東南海地震(東海・紀伊半島沖)
東海地震(静岡沖)

連動する可能性が高いとされており、発生すれば最大クラスの揺れが長時間続くことが予想されています。

政府の想定では、最悪の場合・死者32万人以上、津波30m級という、未曾有の被害規模です。

「確率70〜80%」という数字は、地質調査で蓄積された歪み量、歴史地震の周期、プレートの動きなど複数の要因に基づくもので、科学的根拠のある“警告”と言えます。

2. なぜ関東(西東京市)も揺れるのか?──離れていても被害が出る理由

「震源は遠いのに、なぜ西東京市も揺れるの?」と疑問に思う方は少なくありません。
その理由は大きく分けて3つあります。

(1)長周期地震動の影響

巨大地震になると、波が“ゆっくり”“長く”揺れる長周期地震動が発生します。この揺れは遠方まで届きやすく、建物が共振を起こし、揺れ幅が増える危険があります。

特に木造住宅は、ある周期の揺れに弱く、建物の状態によっては揺れが増幅しやすい構造になっています。

(2)関東平野で揺れが増幅

関東平野は“軟弱地盤”が多く、地震波が増幅されやすい地形です。このため、震源が遠くても震度5〜6程度の揺れが十分に発生し得ます。

(3)建物が古いほど揺れやすい

築30〜40年の木造住宅には、次のような特徴が多く見られます。

壁量不足(耐力壁が少ない・バランスが悪い)
接合金物の未設置・不足
劣化した柱・土台
重たい瓦屋根
シロアリによる内部劣化

これらは、地震波が遠くても建物自体が大きく揺れる原因になります。

3. 南海トラフ地震が木造住宅に与える“3つの致命的ダメージ”

① 長時間の横揺れで「建物のねじれ」が起きる

巨大地震では、数分〜10分以上揺れが続くことがあります。弱い壁側から変形し、建物の一部だけが大きく揺れることで、“ねじれ”が起きて倒れやすくなるのです。

特に、1階部分の壁が少ない家や、南側の掃き出し窓が多い家などは、バランスが悪くねじれが起こりやすいため注意が必要です。

② 柱・土台・接合部に一気に負担がかかる

揺れが反復すると、柱と柱をつなぐ金物が外れたり、土台がずれたりすることがあります。その結果、

2階が横にずれて1階がつぶれる“パンケーキクラッシュ”と呼ばれる倒壊形態が発生することもあります。

接合部の弱さは外からではわかりにくいため、専門家による確認が欠かせません。

③ 古い住宅では「屋根が重い」ことが倒壊の引き金に

瓦屋根は美しい反面、地震時には建物の“上部が重い”ことで揺れが増幅します。特に築40年以上の住宅は、耐震設計が屋根の重さに対応しておらず危険です。

屋根を軽量化することで、同じ揺れでも建物にかかる地震力を大きく減らせるため、耐震補強と合わせて検討する価値があります。

4. 西東京市・小平市・東久留米市で特に注意すべき理由

西東京市・小平市・東久留米市周辺の木造住宅には、次のような特徴があります。

1981年以前に建てられた旧耐震基準の家が多い
地盤が比較的軟弱なエリアが点在している
古い区画では基礎が浅い・無筋コンクリート基礎の家が見られる
在来軸組工法の木造住宅が多く、住みながら補強しやすい構造が多い

耐震診断の現場でも、「壁量不足」「バランスの悪さ」「金物の未設置」が非常に多く、逆に言えば補強効果が出やすい地域とも言えます。

5. 南海トラフ地震に備える“現実的で効果の高い対策”

(1)まずは耐震診断で“家の弱点”を明確にする

「どこを補強すべきか」は家によって全く違います。間取り、築年数、工法、劣化状況などが複雑に関わるため、自己判断では限界があります。

鈴木住研が行う耐震診断では、

壁量・壁のバランス
柱・梁の配置
接合部・金物の有無
基礎の状態(ひび割れ・欠損など)
屋根の重さ
シロアリ被害・腐朽の有無

などを総合的にチェックし、どこが最初に壊れるかを見極めます。ここを見誤ると、費用をかけても耐震性は十分に上がりません。

(2)優先すべき補強はコレ

耐震補強の内容は家ごとに異なりますが、一般的に効果の大きい順に並べると、

・ 1.壁の補強(最重要)
・ 2.接合部(柱・梁・土台)の強化
・ 3.基礎のひび割れ補修・強化
・ 4.屋根の軽量化

となります。最小限の工事であっても、これらをバランスよく配置することで、南海トラフ級の揺れにも耐えられる家に近づけることができます。

(3)家具固定は“補助対策”として必須

耐震補強が家全体の強度を上げる“本丸”だとすれば、家具固定は“補助対策”です。どちらか片方では十分とは言えません。

具体的には、

タンスや本棚をL字金物壁に固定する
冷蔵庫・テレビをベルトや専用器具で固定する
突っ張り棒はあくまで補助として使う
寝室や子供部屋には大型家具を置かない工夫をする

などを組み合わせることで、倒壊しないまでも室内でのケガを大きく減らすことができます。

6. 南海トラフ地震に備えるために、今できる“3つの行動”

① 家の劣化サインをチェックする

まずはご自身で、次のような劣化サインがないか確認してみてください。

床の傾きや沈みが気になる
ドアや窓の開け閉めが重くなってきた
天井や壁に雨漏りの跡がある
外壁に大きなひび割れがある
基礎にひび割れや欠けが見られる
羽アリ(シロアリ)を見かけたことがある
瓦屋根のままで築30年以上経っている

一つでも当てはまる場合は、耐震性が低下している可能性があります。

② 専門家による耐震診断を受ける

自己チェックだけでは限界があります。家の構造や基礎の状態を正しく把握するには、専門家による耐震診断が欠かせません。

無料で弱点がわかり、補強の優先順位が明確になるため、「今すぐ全部はできない」という方にも大きなメリットがあります。

③ 助成金を活用して効率よく補強

西東京市をはじめ、多くの自治体では耐震改修に助成金制度が用意されています。条件を満たせば、工事費の一部を補助してもらうことができます。

「助成金が使える工事かどうか」「どのタイミングで申請するべきか」などは、耐震診断の段階で一緒に確認しておくとスムーズです。

7. 南海トラフ地震は止められない。でも“倒れない家”にはできる

南海トラフ地震はいつ起きてもおかしくありません。
しかし、家の弱点を知り、必要な補強を最小限で行うだけで、倒壊リスクは劇的に下がります。

【無料耐震診断のご案内】

南海トラフ地震に備えて、「家の状態が気になる」「弱点を知りたい」という方へ。
専門の耐震技術者が、無料で構造・基礎・屋根まで総点検し、最適な耐震補強をご提案します。

西東京市・小平市・東久留米市周辺での耐震診断・耐震補強のご相談は、地元密着の鈴木住研までお気軽にお問い合わせください。

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