耐震コラム

地震の縦揺れ・横揺れ・どっちが危ない?本当に危険な揺れとは?

地震の揺れ、多くの人が「縦揺れ」の方が怖いと感じるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?
実は、縦揺れと横揺れはそれぞれ異なるメカニズムで発生し、異なる被害をもたらします。
どちらが「より」危険なのか、その違いと対策を詳しく見ていきましょう。

地震の縦揺れの危険性

縦揺れのメカニズムとP波

縦揺れは、地震波の一種であるP波(縦波)によって引き起こされます。
P波は、波の進む方向と同じ方向に振動する波で、地震波の中で最も伝わる速度が速いため、最初に到達します。
そのため、地震発生直後に感じる、短い周期で上下に揺れるのが特徴です。
この初期微動は、比較的短い時間で終わることが多いですが、直下型地震の場合は、この初期微動がほとんどないまま、強い縦揺れが襲ってくることもあります。

縦揺れによる被害と危険性

縦揺れの主な被害は、建物の基礎部分への強い衝撃です。
上下方向への強い力が加わるため、建物の柱が土台から抜け落ちたり、基礎が破損したりする危険性があります。
また、家具や家電製品も上下に激しく揺さぶられるため、転倒や落下による被害も発生しやすく、特に重いものは危険です。
さらに、縦揺れは人のバランス感覚を狂わせやすく、転倒による怪我のリスクも高まります。

縦揺れへの効果的な対策

縦揺れへの対策としては、まず建物の基礎部分の補強が重要です。
耐震性の高い建材を使用したり、適切な基礎工事を施したりすることで、地震の衝撃を軽減できます。
家具については、転倒防止のために固定したり、低い位置に置いたりする工夫が必要です。
さらに、地震発生時の行動についても、安全な場所にすばやく移動できるよう、日頃から訓練しておきましょう。

地震の横揺れの危険性と縦揺れとの比較

横揺れのメカニズムとS波

横揺れは、地震波のS波(横波)によって引き起こされます。
S波は、波の進む方向と垂直方向に振動する波で、P波よりも伝わる速度が遅いため、P波の後に到達します。
そのため、長く続く大きな揺れとして感じることが多く、建物への被害は縦揺れよりも大きくなる傾向があります。

横揺れによる被害と危険性

横揺れは、建物に水平方向の強い力が加わるため、倒壊の危険性が高いです。
特に、古い建物や耐震性が低い建物は、大きな被害を受ける可能性があります。
また、家具や家電製品の転倒も、横揺れによって多く発生します。
さらに、海溝型地震などでは、長時間にわたる強い横揺れが津波を引き起こす可能性もあります。

横揺れと縦揺れの危険性の比較

縦揺れと横揺れ、どちらがより危険か?
結論から言うと、地震の規模や発生場所、建物の耐震性などによって異なります。
直下型地震では強い縦揺れが、海溝型地震では強い横揺れがそれぞれ大きな被害をもたらす可能性があります。
しかし、いずれの場合も、強い揺れは甚大な被害につながるため、どちらも等しく危険であると認識しておくべきです。

地震への総合的な対策

地震による被害を最小限に抑えるためには、縦揺れと横揺れ、両方の対策を総合的に行う必要があります。
建物の耐震化、家具の固定、避難経路の確認、非常食や水の備蓄など、様々な対策を講じることで、地震への備えを強化できます。
また、地震保険への加入も有効な対策の一つです。

まとめ

地震の縦揺れと横揺れは、どちらも大きな危険性をはらんでいます。
縦揺れは初期微動として突然襲ってくることが多く、家具の転倒や人的被害につながりやすい一方、横揺れは建物の倒壊を招きやすく、津波発生の可能性も高まります。
どちらの揺れにも対応できるよう、建物の耐震化、家具の固定、避難計画の策定など、総合的な対策を講じる事が重要です。
地震はいつ起こるか分かりません。
日頃から備えを怠らず、安全な生活を送りましょう。

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投稿者プロフィール

鈴木 芳邦
「鈴木住研」では、これまでに400棟以上の木造住宅の耐震診断を行ってきました。
経験豊富な東京都登録の耐震診断技術者(建築士)が責任を持って耐震診断を行なっております。
また、創業より60余年木造住宅を造り続けてきた工務店の高い技術力・施工力で、精度の高い補強工事も行なっております。
社員や協力会社と共に、お客様のご家族と住まいを長期にわたり見守り続けます。ぜひ安心して相談ください。

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