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「うちは大丈夫」は危険?地震被害の8割が“老朽木造住宅”と言われる理由

地震が多い日本では、「うちはこれまで大丈夫だったから」「築年数は古いけれど、まだ住めるし問題ない」という声をよく聞きます。しかし、地震による住宅の倒壊被害の多くは、実は築30年以上の老朽木造住宅に集中しています。

今回は、なぜ古い木造住宅が地震に弱いのか、その具体的な理由やチェックポイントをわかりやすく解説します。自宅の安全性を考えるうえで、知っておきたい重要な内容です。

1. 地震被害の「8割」が古い木造住宅に集中する理由

阪神・淡路大震災や熊本地震など、過去の大きな地震の調査結果では、倒壊した住宅の多くが旧耐震基準(1981年以前)の木造住宅でした。

その理由は単純で、地震に対して必要な壁量や強度が、今とは大きく異なるルールで建てられているからです。

旧耐震基準:震度5強程度で倒壊しない
新耐震基準:震度6~7の大地震でも倒れないことを想定

つまり、想定している地震の大きさが全く違うのです。

2. 古い木造住宅に多い「3つの弱点」

① 壁の量・バランス不足

地震に耐えるための「耐力壁」が不足している家は、地震の横揺れに弱く、建物全体が大きく変形しやすくなります。特に、リビングの掃き出し窓が多い間取りは、壁の量が不足しがちです。

② 接合部の金物が十分でない

古い家では、柱や梁の接合部に必要な金物が取り付けられていないケースが多く、揺れたときに抜けたり外れたりしてしまう危険があります。これは倒壊リスクを高める大きな要因です。

③ 基礎の劣化・無筋コンクリート

1981年以前の住宅には、鉄筋が入っていない「無筋コンクリート基礎」が少なくありません。これは大きな揺れでひび割れやすく、建物をしっかり支えられない危険性があります。

さらに、経年劣化によって柱や土台が腐朽していたり、シロアリ被害を受けていると、耐震性は大きく低下します。

3. 古い家ほど「地震時に揺れやすい」理由

新築時は問題がなくても、築年数が経つにつれて建物は少しずつ変形し、水平・垂直のバランスが崩れていきます。この変形が大きくなると、地震の揺れがさらに増幅しやすくなります。

ドアや窓の建付けが悪い
床が沈む・傾いている
クロスにひびが入る

これらは、建物がすでに揺れやすい状態になっているサインです。

4. 大地震が来る前にできる「現実的な対策」

① 専門家による耐震診断を受ける

耐震診断では、壁の配置、基礎の状態、柱の劣化、金物の有無などを総合的にチェックします。診断結果によって、どの部分を優先的に補強すべきかが明確になります。

② 最小限の耐震補強で大きな効果

すべての家をフルリフォームする必要はありません。弱点となる部分だけをピンポイントで補強することで、耐震性は大幅に向上します。

壁の補強
接合部の金物補強
基礎のひび補修
屋根の軽量化

これらをバランスよく行うだけでも、倒壊リスクは大きく下がります。

5. 老朽木造住宅に住む人がまず確認すべきポイント

築30年以上経っているか
大きな開口(窓)が多い間取りではないか
接合金物が入っていない可能性がある
シロアリ被害が心配である
屋根が瓦で重い

一つでも当てはまる場合は、耐震診断を受けることをおすすめします。

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